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Channel: F & F嫁の “FFree World”
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アリス=紗良・オット ピアノ・リサイタル 2015

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火曜日休みの F 嫁と、仕事を切り上げて駆けつけた F は本八幡から都営新宿線で一路初台へと向かいました。
初台といえばバレエファンとしてはもちろん新国立劇場バレエ団ですね。

ただこの日はおとなりのタケミツメモリアルの方。
武満先生の名を冠したコンサートホールであります。





RICOH GR


いつもの水辺でお約束の一枚。





RICOH GR


その後オペラシティの地下のサブウェイでフットロングを軽く一本。
腹ごなしに周囲を散策しました。






RICOH GR


そして長い回廊の先、階段を登った所がコンサートホール入り口です。
日が落ちた後のここの雰囲気が好きです。








この夜の目的はブログタイトルにもあるように、大ファンの アリス=紗良・オット ちゃんのリサイタルです。

拙ブログでは 2010 年に アリス=紗良・オット というそのままのタイトルで書いたのが最初です。
もっともピアノがどうの演奏がどうのという話ではなく、いつものミーハー全開でカワイイカワイイの連呼であります。

その数カ月後には ミューザ川崎シンフォニーホール で初めてオットちゃんの演奏を聴いたのでした。
ミューザ川崎はアシンメトリーな美しいホールでしたが、2011年の震災で影響を受けてしまいました。

現在は復活していますので演奏者に関わらずもう一度行ってみたいホールのひとつです。



今回のオットちゃんはベートーヴェン、バッハ、リストというプログラム構成です。
個人的に超楽しみにしていたのはもちろんバッハ。

それも 幻想曲とフーガ~シャコンヌ(ブゾーニ編) という F のツボを押さえまくった 2 曲。
期待が高まり過ぎて頭から湯気が出そうです。






RICOH GR


タケミツメモリアルはシューボックス型のコンサートホールです。
ピアノのソロリサイタルであれば程よい大きさです。

そしてトップ写真のように天井は果てしなく高く独特の響きがあるといいます。
平日夜の演奏会ですが最終的にほぼ満席、人気の高さを伺わせます。

演奏会が始まる前、F 嫁とオットちゃんのドレス色について賭けました。
まぁふたりともブルーとの予想で成立はしませんでしたが、本当にブルーのロングドレスで登場してビックリしました。





この写真のようにデビューして以来ずっと髪は長かったんです。
でもコンサートのフライヤーをご覧いただければおわかりのように今は少し長めのボブといった雰囲気でしょうか。

ブルーの綺麗なロングドレスの下はいつものように裸足です。
登場と同時に盛大な拍手、スタスタと歩いてお辞儀してスッと着席、ちょっと椅子の上下を修正して演奏スタートです。




肝心の演奏は、F による曲の好き嫌いが別れました。



ベートーヴェンのピアノソナタはいろいろ聴きましたがどれも F の琴線に触れません。
この夜の「テンペスト」も例外ではなく、ベートーヴェンの名ソナタであるとわかっていながら…

このままベートーヴェンのソナタの価値に気づかないまま一生を終えるかもしれませんがまぁ仕方ありません。



バッハの 2 曲に関しては大好きな事もあり感動しました。
「幻想曲とフーガ イ短調 BWV944」は短い幻想曲と長大なフーガの組合せです。

快速に飛ばすオットちゃんの右手がカッコイイです。
2階席から双眼鏡で手元を観ていましたが見事な演奏、そして奏者も楽しげでとてもいいですね。

素晴らしい幻想曲とフーガでしたが、間を置かずに演奏を開始した「シャコンヌ」の壮絶さはそれを凌駕していました。
というか「シャコンヌ」の指慣らしに聴こえてしまった事を告白せずにはいられません。

気負いなくスッと入った最初の和音から、意外にも力を抜いた最後の和音まで耳と目が釘付けでした。
受けた衝撃を正しく伝える術もそのために必要な音楽知識も皆無なのが悔しいです。

自由でいて力強い左手、ピアニッシモからトゥッティまで変幻自在の右手。
オットちゃんが左手で低音鍵盤を文字通りぶっ叩くと、ピアノは打楽器なのだと再認識させられます。

カチッと型にハマった演奏の対極にあると言ってよいかもしれません。
即興性の高い演奏‥という表現は軽々に使いたくありませんが、ライブ感あふれる次が予想できない演奏です。

当然アドリブを紡いでる訳ではなく楽譜通りに弾いているのですが。
何百回も聴いたシャコンヌで次の展開にワクワクするという貴重な体験をさせてもらいました。

 #美人ピアニストにヨワい

というハッシュタグを活用していますが、シャコンヌの最終局面になるともう誰が弾いているのかも関係なくなりました。
演奏家として、また限られた情報から見聞きする人柄も含め人として彼女が大好きなのですがそれも関係ありません。

純粋に音楽として少なくとも F の全身全霊に訴えかけるものがあったのです。


演奏が終わって最後の音がホールの天井高く反響して消え去った時、猛烈な感動が沸き起こってきました。
立ち上がってにこやかにお辞儀をするオットちゃんに、手の皮が厚くなるほど拍手を送ったのはいうまでもありません。



休憩時間に興奮した F のシャコンヌ話を聞かされまくった F 嫁がうんざりし始めた頃ベルが鳴りました。


後半のリストプログラムは申し訳ないけれどベートーヴェン同様、訴えてくるものがありませんでした。
もちろんリストはオットちゃんのキャリア開始から重要な位置を占める作曲家だとわかっています。


Liszt - La Campanella - Alice Sara Ott


映像はだいぶ前のものですが「パガニーニ大練習曲」終曲の「ラ・カンパネッラ」など自他共に認める名演でありましょう。
それでいても好き嫌いの激しい F にとってはバッハの余韻を薄めるものではありませんでした。

結局のところピアニストが好きで彼・彼女が弾くのであればすべて聴きたい…というファンでは無いということでしょう。
好きなピアニストが自分の好きな曲を弾いてくれるのであれば演奏会に足を運ぶ、という変な聴き手なのです。


素晴らしいコントロールで「ラ・カンパネッラ」を弾き終えたオットちゃんに盛大な拍手が鳴り響きます。
彼女のリストを楽しみにしていらっしゃる観客の皆様が大部分であるから当然です。

もちろん F も大きな拍手を贈りましたよ。



アンコールは 2 曲。

ショパン:前奏曲第 15 番“雨だれ”
グリーグ:叙情小曲集 第 10 集 op.71 より“小妖精”





アリス=紗良・オットちゃんのバッハ演奏をこの夜はじめて聴きましたが、たいへん感銘を受けました。
もっとバッハを演奏してもらいたいし、あわよくば「バッハアルバム」も期待したいところです。

とはいえ先ほど聴いた自由に飛翔するシャコンヌがそのまま CD に収まりきるとは良い意味でとても思えません。
ライブ盤ならともかく彼女がバッハのレパートリーを固めてここぞ!と録音に至るまではまだ時間がかかるかもしれません。

なのでもっともっと弾く機会をふやしてくださいね。
この日の演奏会、極端な話「シャコンヌ」たった 1 曲だけだったとしても F は S 席 6,000 円出します(笑)






RICOH GR


終演後のロビーに長い列、そうです恒例サイン会です。

出待ちやらサイン会となると燃える F & F 嫁です。
すでに長い長い列が出来ています。

係員の方が恒例の口上「サインはおひとり 1 箇所、日付 NG、名前 NG、握手 NG、写真はもちろん NG 」を述べられます。
でもサインが終わった後、ロープが張られている場所に限り写真はオッケーとのことで数枚撮らせていただきました。

二時間にわたって指を酷使したオットちゃんですが、ひとりひとり笑顔でにこやかに対応していました。
彼女の日本語は完璧です。



RICOH GR


F & F 嫁はコンサートのプログラムにサインを 1 箇所いただきました。
彼女がサインペンを走らせている時チャンスとばかり F がひと言 「近い将来バッハアルバムも期待してます!」

ほんの一瞬驚いた表情を浮かべましたがすぐにニコッと笑って「ありがとうございます」と答えてくれました。

それを聞いていた写真右側に立っいる男性が彼女より大きな声で「ありがとうございます!!」と答えました。
F 嫁曰くレコード会社の担当者さんじゃないの?とのことでしたがいかに。




ジャパン・アーツのツイッターより


このキュートな笑顔で目を合わせて日本語でお礼を言われたひにゃオジさんイチコロだよねぇ(笑)

明日 25日(月)に佐賀で開催されるリサイタルで今回の長いツアーも終わりです。
オットちゃんお疲れさまでした。明日の千秋楽も大成功で終わりますように。


2015 年は彼女がたくさん来日してくれるので嬉しいです。

11 月のフランクフルト放送響との来日 はチャイコフスキーのピアノ協奏曲ですが、メインがベルリオーズの幻想交響曲なんですよね。
またまた好き嫌いですが幻想はイマイチなんです。ルスランとリュドミラ序曲は大好きですけどね。


なので 8 月 21 日(金)の NHK 交響楽団の演奏会に行くことにしました。



こちらはベートーヴェンのピアノ協奏曲第 3 番というこれまた大好きな曲。
サントリーホールでの N 響というのもずいぶん久しぶりになります。

このコンサートの後には「ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集にも期待」とほざく F がいることを予想しておきます(笑)



またぞろ偏った上にミーハーな音楽ファンの役に立たないレビューでした。
ああそれにしてもオットちゃんはカワユイ、そして素敵だ。











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