F嫁log
3月21日午後、渋谷の街にはみぞれ混じりの雪が降っていました。
その中を一人オーチャードホールに向かいます。
私達夫婦が(勝手に)応援し続けている 浅川紫織さん が引退を発表したのは3月14日。
聞いた瞬間(こんなに早く・・)と思ったのも確かです。
ここ数年は私達の期待を裏切らないだけではなく、更に何かを与え続けてくれた紫織さんの踊り。
実はまだまだ見せていただけると思っていたのです。
今日が私が見れる紫織さんの最後の白鳥…頭ではわかっているものの、実感がわかないままに現地に到着しました。
渋谷東急文化村オーチャードホールで一番好きな2階バルコニー席。
せっかくこの席が取れたのに来れないなんて…Fもかなり運が悪い…
RICOH GR
今回はやはり紫織さんばかりを追って見てしまいました。
公演としてはピリッとしまった舞台でとても良いものだったと思います。
見れなかったFの為に、舞台の全体像と紫織さんのオデット・オディールの記録を残します。
プロローグ
紗幕の向こうで動く人間のオデットを双眼鏡でガン見…紫織ちゃん、悲しいほどキレイです。
第一幕
緞帳が昇り、大きなジャンプで王子ジークフリードの友人ベンノが飛び出してきます。
すっと物語に引き込まれていきました。
季節外れの悪天候と紫織さんの引退発表でちょっと憂鬱だった私の気持ち。
でも突然、これから始まる物語を楽しむ気持ちにふっと変わりました。
ピリッとしまった舞台。
出演者全員、とても気合が入っているようで…なんとも心地よい踊り。
そこに王子ジークフリード登場。
今日の王子は宮尾さん。華やかだな~。
明るい舞台が王子の登場で更にぱっと明るくなったような。
そしてジャンプ。伸びやかで、飛んでいる時に更に陽気なパワーがボンと。
無邪気で明るい王子。でも、とても自然な感じ。
いつも宮尾さんには注文ばかりつけているけれど、今日はとても良い感じ。
オケもだんだん良くなって(お天気のせいか、最初は弦が転びそうだったり管がピー気味だったが)
一幕が下ろされました。
第二幕
歩んで登場するオデット。
その瞬間からシーンとする場内。
私を含め、紫織ファンにとっては見納めになるであろうオデット。
静かにオーボエの音に合わせ踊るオデット。
美しいけど、悲しいオデット。
見ていてこちらまで心がシーンとなるように悲しさが伝わってきます。
王子が登場し、二人のグラン・アダージオが始まります。
じつは2011年に宮尾、浅川コンビの白鳥の湖を見ていました。
あれから7年の月日が経ったのだな…
紫織さんのオデットは自分の身の上をどうにもやりきれない気持ちで(マイムで)語ります。
諦めた怒りと悲しさ…ハッキリとしたマイムが突き刺さってきます。
それに対して宮尾さんのジークフリードは無邪気。
可哀想と思ってはいるけれど、美しくて珍しさに興味を持つ気持ちの方が上回っています。
前回、遅沢さんと紫織さんが踊られた時に感じたグランアダージオの時の不安感、空虚感。
今回ははっきりと微妙にずれている二人の想いを同時に両方の耳で聞いているような気持ちになりました。
悲しい身の上を逃れられない運命だと諦めかけているオデット。
美しいオデットに興味と恋心でいっぱいになるジークフリード。
オーボエとヴァイオリンの交錯する音。でも交わらない音。
二人のわかり合えない気持ち。
今回は宮尾さんと紫織さんはとてもパートナーシップも合っていました。
一見して、調和して美しく踊る二人。
でも交わらない視線、幸福感に浸る王子と悲しそうなオデットの対比。
見ている私にこれから悲劇が起こることを確信させたのでした。
第三幕
オディールが現れた瞬間に、ジークフリードがぱっと明るくなります。
(本当に電気がついたように)恋をしてしまったのだなとわかります。
ロットバルトから羽を渡され、更に確信する王子。
オディールとジークフリードのパ・ド・ドゥ。
幸福感いっぱいの二人。とても私も幸せな気持ちになった…瞬間…
何か変だと。
オディールが何か違う。
オペラグラスで覗くと、美しく笑っているのだけど、なんだかこわばった笑顔のオディール。
そっくりな女だけれどオデットを演じているのです。
王子は昨夜の女に会えた幸福感でいっぱい。
でも、踊っているうちにこの女に違和感を感じます。
すると、王子を惑わすように妖艶に誘惑するオディール。
またおかしいと思い始める王子。
さらにムキになるように誘惑するオディール。
オディールを見ていて、悲しい気持ちがヒタヒタと。
可哀想な女性。
この人もロットバルトの魔法で容姿を変えられてしまったのでしょう。
うまくいけば、魔法を解いてもらえるのかもしれない。
オディールを見て悲しい気持ちになったのは初めてでした。
Fの気になるポイント、オディールのアチチュード三連発。
アン・オーからの音の余韻の部分でのゆっくりと音を後ろに払う(伸ばす)ようなアロンジェ。
本当に美しい~。
たぶん見れたら、Fも絶賛するはず。
第四幕
幕が開いた瞬間にまず思ったことは
「あーもう少しで終わってしまう」
ジークフリードが後悔し、オデットが許し受け入れます。
一瞬の二人の心の通じ合い。
その直後にオデットはジークフリードを救うために身を投げます。
それを追うジークフリード。
熊川版ではエンディングとして雲の上を飛ぶ白鳥の群れと天国で再会する二人の様子が描かれます。
最後に良かった…と気持ちの良い涙を前回は流し満足して帰りました。
RICOH GR
今回は切ない切ないオデットとオディールの物語に、引退を発表した紫織さんが重なり、
見終わった後は切ない悲しい気持ちでいっぱいになりました。
でも素敵な舞台でした。
今回のパートナーをつとめた宮尾さんを始め、出演者、オーケストラ、全てが良かったです。
白鳥の湖の物語に浸ることが出来ました。
そしてそして
紫織さん、素敵な踊りをありがとう。
3月21日午後、渋谷の街にはみぞれ混じりの雪が降っていました。
その中を一人オーチャードホールに向かいます。
私達夫婦が(勝手に)応援し続けている 浅川紫織さん が引退を発表したのは3月14日。
聞いた瞬間(こんなに早く・・)と思ったのも確かです。
ここ数年は私達の期待を裏切らないだけではなく、更に何かを与え続けてくれた紫織さんの踊り。
実はまだまだ見せていただけると思っていたのです。
今日が私が見れる紫織さんの最後の白鳥…頭ではわかっているものの、実感がわかないままに現地に到着しました。
渋谷東急文化村オーチャードホールで一番好きな2階バルコニー席。
せっかくこの席が取れたのに来れないなんて…Fもかなり運が悪い…
RICOH GR
今回はやはり紫織さんばかりを追って見てしまいました。
公演としてはピリッとしまった舞台でとても良いものだったと思います。
見れなかったFの為に、舞台の全体像と紫織さんのオデット・オディールの記録を残します。
プロローグ
紗幕の向こうで動く人間のオデットを双眼鏡でガン見…紫織ちゃん、悲しいほどキレイです。
第一幕
緞帳が昇り、大きなジャンプで王子ジークフリードの友人ベンノが飛び出してきます。
すっと物語に引き込まれていきました。
季節外れの悪天候と紫織さんの引退発表でちょっと憂鬱だった私の気持ち。
でも突然、これから始まる物語を楽しむ気持ちにふっと変わりました。
ピリッとしまった舞台。
出演者全員、とても気合が入っているようで…なんとも心地よい踊り。
そこに王子ジークフリード登場。
今日の王子は宮尾さん。華やかだな~。
明るい舞台が王子の登場で更にぱっと明るくなったような。
そしてジャンプ。伸びやかで、飛んでいる時に更に陽気なパワーがボンと。
無邪気で明るい王子。でも、とても自然な感じ。
いつも宮尾さんには注文ばかりつけているけれど、今日はとても良い感じ。
オケもだんだん良くなって(お天気のせいか、最初は弦が転びそうだったり管がピー気味だったが)
一幕が下ろされました。
第二幕
歩んで登場するオデット。
その瞬間からシーンとする場内。
私を含め、紫織ファンにとっては見納めになるであろうオデット。
静かにオーボエの音に合わせ踊るオデット。
美しいけど、悲しいオデット。
見ていてこちらまで心がシーンとなるように悲しさが伝わってきます。
王子が登場し、二人のグラン・アダージオが始まります。
じつは2011年に宮尾、浅川コンビの白鳥の湖を見ていました。
あれから7年の月日が経ったのだな…
紫織さんのオデットは自分の身の上をどうにもやりきれない気持ちで(マイムで)語ります。
諦めた怒りと悲しさ…ハッキリとしたマイムが突き刺さってきます。
それに対して宮尾さんのジークフリードは無邪気。
可哀想と思ってはいるけれど、美しくて珍しさに興味を持つ気持ちの方が上回っています。
前回、遅沢さんと紫織さんが踊られた時に感じたグランアダージオの時の不安感、空虚感。
今回ははっきりと微妙にずれている二人の想いを同時に両方の耳で聞いているような気持ちになりました。
悲しい身の上を逃れられない運命だと諦めかけているオデット。
美しいオデットに興味と恋心でいっぱいになるジークフリード。
オーボエとヴァイオリンの交錯する音。でも交わらない音。
二人のわかり合えない気持ち。
今回は宮尾さんと紫織さんはとてもパートナーシップも合っていました。
一見して、調和して美しく踊る二人。
でも交わらない視線、幸福感に浸る王子と悲しそうなオデットの対比。
見ている私にこれから悲劇が起こることを確信させたのでした。
第三幕
オディールが現れた瞬間に、ジークフリードがぱっと明るくなります。
(本当に電気がついたように)恋をしてしまったのだなとわかります。
ロットバルトから羽を渡され、更に確信する王子。
オディールとジークフリードのパ・ド・ドゥ。
幸福感いっぱいの二人。とても私も幸せな気持ちになった…瞬間…
何か変だと。
オディールが何か違う。
オペラグラスで覗くと、美しく笑っているのだけど、なんだかこわばった笑顔のオディール。
そっくりな女だけれどオデットを演じているのです。
王子は昨夜の女に会えた幸福感でいっぱい。
でも、踊っているうちにこの女に違和感を感じます。
すると、王子を惑わすように妖艶に誘惑するオディール。
またおかしいと思い始める王子。
さらにムキになるように誘惑するオディール。
オディールを見ていて、悲しい気持ちがヒタヒタと。
可哀想な女性。
この人もロットバルトの魔法で容姿を変えられてしまったのでしょう。
うまくいけば、魔法を解いてもらえるのかもしれない。
オディールを見て悲しい気持ちになったのは初めてでした。
Fの気になるポイント、オディールのアチチュード三連発。
アン・オーからの音の余韻の部分でのゆっくりと音を後ろに払う(伸ばす)ようなアロンジェ。
本当に美しい~。
たぶん見れたら、Fも絶賛するはず。
第四幕
幕が開いた瞬間にまず思ったことは
「あーもう少しで終わってしまう」
ジークフリードが後悔し、オデットが許し受け入れます。
一瞬の二人の心の通じ合い。
その直後にオデットはジークフリードを救うために身を投げます。
それを追うジークフリード。
熊川版ではエンディングとして雲の上を飛ぶ白鳥の群れと天国で再会する二人の様子が描かれます。
最後に良かった…と気持ちの良い涙を前回は流し満足して帰りました。
RICOH GR
今回は切ない切ないオデットとオディールの物語に、引退を発表した紫織さんが重なり、
見終わった後は切ない悲しい気持ちでいっぱいになりました。
でも素敵な舞台でした。
今回のパートナーをつとめた宮尾さんを始め、出演者、オーケストラ、全てが良かったです。
白鳥の湖の物語に浸ることが出来ました。
そしてそして
紫織さん、素敵な踊りをありがとう。