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K-Ballet 「Don Quixote」

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※ まだ途中です。随時加筆していきます




ここのところ黒い物騒なエントリーが多かったのですが、久しぶりにバレエの話題です。

夫婦そろって大ファンの K-Ballet COMPANY プリンシパル 浅川紫織ちゃん の舞台を見に行ってきました。
F 嫁に無理言って日曜休みを取ってもらい、スプリング・ツアーの楽日である 13 日に渋谷までエッチラオッチラやって来ました。






RICOH GR


あいかわらず人の波状態のスクランブルです。


余談ですが、出掛けに F のリーデンググラス (老眼鏡) が壊れるというアクシデントがありました。
バレエとサバゲーの時はコンタクトレンズなので、電車内で Kindle 読めないと不便なんです。

12 時過ぎに渋谷に着いて、まずは眼鏡市場渋谷店へ。

出来合いの老眼鏡を購入して店を出ようかと思った時、とあるブランドが目に入りました。
イタリアのサングラスブランド 「POLICE」 です。

それから店長さんと様々なやり取りがあり、店を出るときには何故か商品の入った袋を下げていました。
まぁその話はきな臭いのでまた後日。

その後、ササッと昼食を済ませ東急文化村オーチャードホールへと向かいました。





RICOH GR


当日券売り場の横に立つ F 嫁です。
ここにいると 2011 年に「ロミオとジュリエット」のチケットを紛失して再発行してもらった 事件を思い出しますなぁ。

入場して直ぐに紫織ちゃんの母上様と遭遇、いつもの様にご挨拶をしますが聞けばこの日は父上様もご一緒とのこと。
近くにはいらっしゃいませんでしたが、終演後にまたお会い出来ると思いそのまま座席へと向かいました。





RICOH GR


このツアーでは御大は踊らず、楽日である紫織ちゃんと宮尾君のこの日はかなりの人気。
チケット争奪戦に出遅れ、いつものカップルシートは奪取されてしまいその数列後ろの席でした。

写真に後頭部が写っている男性が、カップルシート最前列です。
ここの席は本当に好きで、オーチャード一番だと思ってます。

でもサイド席はその他でも結構見やすいのです。
F の後ろには座席が無く、珍しく背筋を伸ばして観ることが出来ました。









さて、ここのところバレエ公演のレポで舞台の時系列に沿って書くのが苦手になってます。
なのでいつもの様に役柄別に思いついたことをだらだらと書き連ねたいと思います。

最近のブログ更新は一週間おきなので、途中で加筆、修正は充分にあり得ます。







キトリ

もちろんわれらが 浅川紫織ちゃん です。

紫織ちゃんのドン・キといえば、F & F 嫁にとっては忘れられない舞台があります。
それは 2007 年 7 月の 「ドン・キホーテ」 夏公演です。

当時ベルリン国立バレエのプリンシパルだった中村祥子さんが K-Ballet のゲストとしてキトリを踊ったのです。
初台の新国立劇場バレエの本拠地へその公演を観に行った F & F 嫁です。

祥子さんのキトリはもちろん素晴らしかったです。
が、同時に背後で踊っていた花売り娘のひとりである浅川紫織というダンサーに惹かれました。

恒例の出待ちで御大や祥子さんが登場する前、駅へ向かって歩いて帰るダンサーを見送っている中、浅川さんを発見したのです。






まだ主役クラスではなかったので大きな夫婦に声をかけられて驚いてる彼女にサインを頂いたのがそもそもの始まりです。
これが当時、撮らせていただいた写真です。

初々しい漢字のサインに感動したものです。(ちなみに 2016 年現在も漢字)
それから F & F 嫁は紫織ちゃんのファンとなって現在に至るわけです。

カンパニーを途中で去るダンサーも多い中、まさかあの時の新鮮な卵がこつこつと努力を重ねプリンシパルになりました。
そしてツアーの楽日で主役を張る日が来るとはオジさんオバさんとても感無量です。




もってとも紫織ちゃんの実力からいえばもっと以前にキトリを踊るチャンスは当然の如くありました。
ただ残念ながら故障で一時期はまったく踊れない日々が続いた時期があったです。

それは 2012 年の秋公演 でした。

キトリを踊ったのは現在は残念ながら退団された松岡梨絵さん。
紫織ちゃんはほとんど立役ともいえるドルシネア役でした。

リハビリ中で歩くのも辛かったと思いますが、華のある存在感でドルシネアを演じました。
キトリを踊る能力も情熱も持ち合わせながら、怪我で踊れなかった紫織ちゃんの無念はいかばかりでしょうか。

その悔しさを晴らすチャンスがやっと巡ってきたのです。





嗚呼、思い出話でこんなにも長くなってしまいました。

この日の紫織ちゃんは素晴らしいキトリでしたね。
バルセロナの街に飛び出して来た瞬間からその美しさ、存在感に魅了されました。

やはりキトリは「出」が命。
この最初のヴァリエーション前に観客をつかまなければなりません。

その点、この日の紫織ちゃんは文句のつけようがない見事な登場でした。



となりで F 嫁がため息をついています。
紫織ちゃんのあまりの美しさに感動して‥らしいです。

街の人気者らしくおきゃんな立ち振舞い、それでいて手先、脚先はすごくキレイなんです。
節目に訪れるレヴェランスではたいへんエレガント、そのギャップがまた魅力的です。

バジルとキホーテ老人を天秤にかける際の悪戯っぽい瞳。
とにかく紫織ちゃんの視線はすごく雄弁なんです。

個人的には脚技でじゃれあうシーンなど、もう少しだけ表情をつけて欲しいと思いましたが好みですかね。
いずれにしても第 1 幕での紫織キトリは、初役の不安を吹っ飛ばす見事な出来だったと言えるでしょう。




第 2 幕での踊るドルシネアも素晴らしかったですが、印象的だったのはジプシー野営地の最初。
野営地へ辿り着いたキトリとバジルが、やっとふたりきりになれた嬉しさを踊ります。

この時の紫織ちゃんはとても情感に溢れ、しっとりと魅力的でした。
青いドレスに着替えてゆったりとしたテンポでふたりの感情を伝えます。

いいなぁ、バジルじゃなくても恋するよ。


白いチュチュのドルシネアに変貌してからもうっとりと魅せてくれました。
ヴァリエーションでアチチュードを繰り返すところがあるのですが、F 好みのアチチュードで大満足です。

夢の場での白いドルシネアが捌けてから野営地に戻って青いドレスのキトリが馬車から顔を出すまでたったの 1 分 15 秒でした。
休憩時間を計るためストップウォッチにしている時計でブラインド計測したので間違いありません。

舞台裏は修羅場でしょうけど見事な速着替えでした。

つづく酒場のシーンではダイブもかっこよく決め、すべてが情熱的で楽しかったです。
バジルの狂言自殺シーンでは事情がわかってからのオチャメな表情が可愛かったですね。



第 3 幕の結婚式のシーンはもう圧巻でした。
白い花嫁衣装のチュチュに身を包んだ紫織ちゃんはよりいっそう輝いて見えました。

グラン・パ・ド・ドゥでは第 1 幕でやや不安定だった宮尾バジルとの息もピッタリでした。
アダージョも素晴らしかったし、ヴァリエーションの音の取り方は独特でハッとさせられました。

グランフェッテはすべてシングルで、音楽にピッタリ追従した見事なものでした。
最後のキメも長い間を取ってバッチリと決めてくれました。

これはもうブラボー以外の何物でもありません。



カンパニーのトップであるプリンシパルになってより輝きを増した浅川紫織。
いままさに絶頂期を迎えつつあるダンサーとして誰にも推せる踊り手だといえます。

あの日、あの時、初台の楽屋口での出会いからもうすぐ 10 年です。
これからも K-Ballet を背負って立つバレエダンサーとして紫織ちゃんの活躍を祈っています。

5 月の白鳥、6 月のリラと見逃せない役が続きます。
なんとか仕事に折り合いをつけてまた観に行きたいと思っています。

その際はこの日所用で諦めた「出待ち」にも再びチャレンジしたいです。




(公演プログラムより、宮尾俊太郎、浅川紫織のリハーサルシーン)






バジル

ウチは紫織推しなのでいつもツアーの他公演の事はほとんど知りません。
終演後、F & F 嫁を K に導いて下さった yol さんにお会いした際にお聞きしました。

宮尾俊太郎君がたいへんだった と。

中村祥子さんとのペアで踊るはずだった遅沢さんが怪我により急遽降板。
長身の祥子さんと踊れるのは他には宮尾君しかおりませんでした。

なので木曜日、金曜日、土曜日、そして我々が観に行った日曜日となんとバジル 4 連投。
野球の投手なら中継ぎもクローザーもおりますが、バレエ公演の主役は最初から最後まで出ずっぱり。

その運動量たるや相当なのに加え、演目が男性ダンサーに取ってたいへんなドン・キ。
こりゃ昨年プリンシパルに昇進した宮尾君への試練ですな。


K-Ballet のドン・キといえば、良くも悪くも御大の影響が大なのは万人が認めるところです。
宮尾俊太郎君は北海道が産んだ奇跡のプロポーションを武器に堂々たるバジルを踊りました。

180cm を超える長身、長い膝下、大きな手(男性ダンサーにとっては大いなる武器)、甘いマスクとキリがありません。

過去に観た舞台ではその素晴らしい資質を持て余していたと思えるのは F & F 嫁の共通認識です。
思わず目を覆いたくなるような場面も正直な話、決して少なくありませんでした。



しかしこの日の宮尾君は違っていました。

もちろん 4 連投の最後ということでか、身体の疲労は極限まで達していると思われます。
第 1 幕で 2 回目のリフトを挙げきれなかったのはその査証でしょう。

でも登場時より全身から発するオーラがあり、バジルを短期間に集中して踊った自信のようなものを感じました。
もともと恵まれた体躯をより巧く使えるようになった気がします。

長い腕と手先の表現も豊かだったし、回転の軸も驚くほど(失礼)しっかりしていました。
ジプシーとの踊りでの連続ジャンプも疲れているでしょうけど見事に跳んでみせました。

もっともバジルの見せ場である GPDD のヴァリエーションでは少し省エネモードであったことは否めません。
多少軸が傾いても巧くリカバリーする術も身につけていたので大きな破綻はありませんでした。

コーダでは紫織ちゃんとともに素晴らしい盛り上げで大団円を迎えることができました。




180cm 超の宮尾君と、160cm 台後半の紫織ちゃんとはア・テールでもポワントでもベストバランスと思いました。
プリンシパルを張る以上、同僚の急な降板で連投になることはよくあります。

今回のバジル 4 連投 (その内 2 回は祥子さん) は宮尾君にとって大きな試練でありました。
と同時に大きな財産にもなるやに思います。

誠実な人柄で知られる宮尾俊太郎君。
彼は今後 K-Ballet を牽引する立場として頑張るチャンスを目の前にしていると思います。

遅咲きの苦労人、今後の素晴らしい活躍をお祈りします。







RICOH GR

幕間、シャンパンを前にする F 嫁。







ドン・キホーテ & ガマーシュ & ロレンツォ





エスパーダ & メルセデス





プロダクション






Mr. X






終演後ロビーにて



















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