この記事は 2009 年頭に書かれたものです。
アバルトの部品交換の代車として真っ赤な TwinAir を受け取った瞬間、記事を思い出したのです。
当時はハイブリッドに乗っていたのですが、バレエを観に行った横浜で現行 FIAT500 に一目惚れ。
昔からのイタリア小型車への憧れもあり勢いで書いたものの、F 嫁に根回しする前だったからなのか
ボツになったまま 7 年が経過しました。
結局真っ赤なチンク乗りにはなれませんでしたが、当時の熱い気持ちが伝わってきます。
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F log
クルマに関係のない この記事 で、伊フィアット社の大衆車パンダについて触れた。
痛車・・・もとい、小さなイタ車は若い頃からの憧れだった。
フィアット・パンダ、アウトビアンキ・アバルト、そして チンクェチェント・・・
ある晴れた日、突然思い立って市内のアルファロメオ・ディーラーに赴く。
25mm F1.4
現在はトヨタのハイブリッドに乗っているがそろそろ 6 年。
後継について考えねばならない時期 ( 残りの車検、下取り額など ) に差し掛かっている。
もちろん春に登場した新型ハイブリッドは素晴らしいクルマだと思う。
しかしどうにも存在にトキメキがないのだ。
十万台以上というバックオーダー。いずれそのすべてが街にあふれ出てくる。
駐車場にずらりとそのクルマが並ぶことを思うとげんなりする。
デザインも車格も立派になり過ぎと思う。それでいて安いのだからそりゃ売れるだろう。
ウチのクルマは二代目だが、いま思えば初代は個性的で良かった。5 ナンバーだし・・・
すぐに話が脱線する。
平日昼間で閑散とするディーラーで見たのは FIAT 500 、いわゆるチクンェチェントである。
Fiat : Homepage
いちばん道路寄りの目立つ場所に真っ赤なアルファロメオ・ミト。
そしてその隣に同じく赤のチンクがあった。
25mm F1.4
25mm F1.4
25mm F1.4
メッキパーツ、ボンネットの開口ライン、ボリュームあるヒップなど、先代チンクの特徴をよく継承している。
この車両はグレードの高い 1.4 LOUNGE というモデル。
はめ殺しのサンルーフ、アルミホイール、フォグランプ、エキパイなど豪華な装備。
500 の文字を模した意匠も各所に見られる。
営業の方に話を伺い、いちばんリーズナブルな 1.2 POP というグレードに試乗させてもらう。
残念ながら白しかなかったが。
25mm F1.4
賛否両論の現行チンクのメーター類。
驚いたことに試乗に用意された 1.2 POP のオドメータは 0 km であった。
内側がタコ、外側が速度である。
220km まで記載されているのは、さすがイタ車であるといえよう。
200 万を切るプライス、そして 1t を下回る 980kg ( 税額のメリットあり ) という車重の最廉価グレードである 1.2 POP
POP と銘打つだけあって、上級車の LOUNGE とは隔絶したインテリア。それは・・・
自他共に認めるコンサバ野郎の F であるが、こんなクルマに乗れば POP な人生を送れるだろうか・・・(笑)
漢は黙ってマニュアルエアコン(笑)
しかしもっとも安いグレードのインテリアだがチープ感はない。
それほどデザインとカラーリングがぶっ飛んでいるのだ。
そしてただのパイク・カーでないことは、安全面の装備が全車共通ということからも見て取れる。
なんと 7 エアバッグだ。ABS など標準的な装備に加えて、
ESS:Emergency Stop Signal:緊急制動表示機能
EBD:Electronic brake force distributor:電子制御式制動力配分機構
ESP:Electronic Stability Program:電子制御式スタビリティコントロール
ASR:Anti Slip Regulation:駆動輪空転防止機能
MSR:Motor Schleppmoment Regelung:エンジンブレーキ制御機能
HBA:Hydraulic Brake Assistance:ハイドローリックブレーキアシスト
など頭が痛くなるほどの安全装備が全車共通なのだ。
そして過去のイタリア大衆車のイメージを大きく裏切るボディのしっかり感。
ドアはバキン!! とか、ベキッ!! という音がせず、ズシンと閉まるのだ。
さすが欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲ったクルマといえるだろう。
営業マンを助手席に乗せて公道に出てみた。
いかな車重が 980kg とはいえ、1.2L の直4 SOHC 8バルブ 69ps では非力かと思いきや・・・
デュアロジックと呼ばれるセミ 5 速 セミ AT を駆使して走るのは楽しい。
フル AT モードもあるが積極的にシフトアップ・ダウンを行ない 1.2L のエンジンを精一杯回してやる。
確かに高速道路の追い越しや流入、急な坂道や山道では苦労しそうだ。
しかしたくさんのオーナーが言うように、なぜかチンクでは許せてしまう。
いやぁ、クルマを運転していて楽しいと思ったのは何年ぶりだろう・・・
速い、すごい、静か、重厚、レイシー・・・
いろいろな感想を持つクルマのドライブだが「楽しい」というのは貴重である。
ハイブリッドは楽しくないのか?? と問われれば愛車がかわいそうだが、タイヤが 4 本あってステアリングで操るという以外、
まったく別の乗り物だと思う。
短い時間だったが、試乗はホントに楽しかった。
途中 2 回ほどウインカーとワイパーを間違えたのは御愛嬌・・・
営業所に戻る頃には、すっかりチンクに魅了されていた。
数年後~十年後、世の中はハイブリッドや電気自動車に席捲されよう。
最後のガソリン車(笑)として、若い頃からの憧れだったイタ車に乗るのも一興。
にわか POP 男が住む街を、真っ赤なチンクが疾走する日が来るだろうか
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点検による代車にインスパイアされて 7 年前のボツ記事をそのままお送りしました。
その後色やグレードは違えどこの形のクルマを二代続けて乗ることになろうとは…
様々な意味で我慢してくれている F 嫁に感謝です。
お借りした FIAT500POP TwinAir に F 嫁を乗せて先延ばしになっていた初詣にやっと出かけました。
RICOH GR
RICOH GR
RICOH GR
RICOH GR
外観は 7 年前の 1.2L NA の POP グレードとほとんど変わりません。
ただエンジンは新しいハイテク小排気量ターボです。
RICOH GR
2気筒 0.9L ターボという特徴的なスペック。
アイドリング音も加速の時のエンジン音も 2 気筒らしいというかバタバタした音と振動を撒き散らします。
それを「ガサツ」と取るか「らしい」と取るかでこのクルマに対する評価はずいぶん変わると思います。
車重が軽いのでフツーに速いですし、アバルトと違って最小回転半径がサイズらしい小ささなのはありがたいです。
インテリアはあいかわらず POP な紅白で、50過ぎのオッサンが乗るには気恥ずかしいです。
でも女性‥特に免許取り立てで最初のクルマがこれなんてどうでしょうね。
最初からこれに慣れちゃえばいいんです。
日本車のきめ細やかさを知る前に。
4 日間の逢瀬を終え赤チンクとはお別れ、本日サソリが戻ってきます。