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Channel: F & F嫁の “FFree World”
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不思議の国のアリス ROYAL BALLET 2013

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英国ロイヤルバレエ 2013 年日本公演

7 月 7 日七夕のソワレ、F 嫁と一緒に 「 不思議の国のアリス 」 追加公演を観に行って来ました。
もう耳タコでしょうが、ロイヤルバレエにおけるウチの推しメンはファーストソリストの 崔 由姫 ( チェ・ユフィ ) ちゃん です。
( 先日残念ながら退団してしまったコジョカルちゃんは永久欠番w殿堂入り )
そのユフィちゃんが 「 不思議の国のアリス 」 の追加公演で日本において全幕主役デビューすることになったからです。

今回の来日公演では 前回の 2010 年同様、当初はユフィちゃんが主役を務める舞台はありませんでした。
アリスのチケット販売が好調なため 追加公演が企画 され、アリスの経験があるユフィちゃんが抜擢されたのでした。
その後、ユフィちゃんの友人でもあるローレン・カスバートソンが怪我で来日不能になってしまったのを受け、
アリスの配役が玉突き変更となり、6日、7日の連投となりました。
本来なら日本での初主演を目に焼き付けるはずでしたが、踊る機会が増えたことを純粋に喜びたいと思います。
そういえば 韓国でも 2 日間の 2 日目 だったなぁ。






RICOH GR


7 日の日曜日、上野の改札を出るといきなり大雨でした。
梅雨明けしてからここのところ酷暑日が続いている上、いたるところでゲリラ豪雨が見られ気が抜けません。
小止みになるタイミングを見計らって横断歩道をダッシュです。







RICOH GR


東京文化会館入り口付近にて。
正直なところ心配していた追加公演の客入りもほぼ満席で盛況でした。
いやしかし GR の描写はいいなぁ。







Alice's Adventures in Wonderland trailer (The Royal Ballet)



さて英国ロイヤルバレエならではと評判の演目 「 不思議の国のアリス 」 です。
皆さまご存知ルイス・キャロルの原作を全 3 幕 ( 初演当初は 2 幕 ) のバレエとしたものです。
主役のアリスは幕が上がってから下りるまでほとんど出ずっぱりのハードな役柄です。

作品自体はたいへん楽しいもので、とてもよく出来ていると思います。
加えて英国らしい毒もあり、笑いもありで見事なエンターテイメントに昇華していると感じました。
そしてジョビー・タルボットの音楽がまた良いんです。
時計の秒針をモチーフにしたリズムが根底にあり、ゴージャスで妖しいまさにワンダーランドを創り上げました。
時に紙吹雪が舞い、時に観客席をも巻き込むワルツシーンはゴージャスで最高でしたね。
構成に関しては初期の 2 幕作品がスピーディーかなと思いましたが、主役の負担を減らすという意味でやむを得ないところでしょうか。

アリスはその 2 幕ものとして今回来日が叶わなかった ローレン・カスバートソン主演で映像化 されていますので、
ご興味のある方はぜひご覧いただきたいと思います。




包括的なレビューを書かなくなって久しいのですが、個人が運営する超個人的なブログですのでご容赦ください。
もちろんユフィちゃんの事を中心に書きます。






緞帳が上がるとお屋敷の庭が現れました。
舞台下手ベンチの前にアリスと二人の姉妹が座っています。
ユフィちゃんは薄紫のドレスにカチューシャをしたショートボブ。
ロイヤルバレエにおけるアリスの決まったスタイルですね。
もともと童顔であるし、黒髪なので違和感はありません。
ただ二人の姉妹が変わった衣装なので統一感はないですねw

好奇心旺盛な少女アリスは舞台を縦横無尽に動きまわります。
こりゃ一幕から結構な運動量ですな。
今回他の舞台 ( ラム、ブルネル ) は観ていないのですが、ユフィちゃんのアリス素敵じゃないですか。
なにやら地味と評する向きもおありなようですが、いやいや表情もクルクル変わるしパッと目を惹きますよ。
理不尽な母親 ( モレーラ貫禄の顔芸 ) にプンスカ怒るところもカワイかったです。

最初のガーデンパーティーは登場人物もとても多いですし、ロイヤルならではの小芝居 ( 良い意味ですよもちろん ) が
舞台中で繰り広げられてますからよほどの吸引力がないと埋没しちゃいますね。



当日の配役に関して…

ファーストキャストのワトソン、ヤノウスキー、マックレーは凄いなという印象です。
大船での再評価 ( 失礼な話だw ) も著しいモレーラがハートの女王を怪演しましたが、
絶対的な身長があるヤノウスキーの迫力までいま一歩と感じました。
でも失礼にも顔芸なんて言いましたが、眉毛ひとつで魅せる芝居はさすがですね。
タップダンスというバレエダンサーが基本求められる以外の資質を前面に出すキャストを作るのは個人的にどうかと
思いますが、マッドハッターはやはりマックレーの独壇場ですね。
最近ユフィちゃんと踊ることも多いアレクサンダー・キャンベル君もタップで健闘しましたが…に留まっています。
やはり大船で観たリカルド・セルヴェラはたいへん良いダンサーだと思いますが、エドワード・ワトソンのある種神経質な
怪しさ満載の白ウサギが映像作品の予習で染み付いているのでどうしても比較してしまいます。

ジャック/ハートの騎士については…
ポルーニン、ボネッリ、マックレー、ペネファーザーというキャストに見るアリスと同世代か少しだけ上というイメージのャックを演じるにはニーアマイア・キッシュはイメージが年上な印象です。
いやロイヤルには少ないノーブルな良いダンサーだと思うんですよ。
想像より赤白の衣装も似合っていたし、後半のパ・ド・ドゥではよくアリスをサポートしてました。
カーテンコール等でも誠実そうな人柄が感じられました。

好き勝手なことを書き連ねまして、各人のファンの皆さまにはたいへん申し訳ありません。




ユフィちゃんのアリス…

トップ写真に貼りつけた文言は、ROH が以前に実施した企画 #AskTheDancer という一問一答におけるユフィちゃんの回答です。
アリスという役に対して楽しんで臨んでいるのがわかりますが、別に 「 自分ならではのアリスを創りあげなければ 」 とも答えています。
ユフィちゃんならではのアリス。
クリストファー・ウィールドンはカスバートソンがイメージの対象だとインタビューで答えていますし、
ラムの見事な演技はスクリーンでも今回の舞台でも観客は堪能したと思います。
新人といってもいいブルネルはフレッシュなアリスを見せたはずです。
ここでチェ・ユフィとしてはどのようなアプローチで役柄に入り込むのか…

これが正しい表現かどうか自信はありませんが、ユフィちゃんの踊りは楷書に例えられように思います。
端正かつ正確。
これはクラシックバレエとしては美点です。
コンテンポラリー ( ユフィちゃんのコンテもっと観たい ) にしても基本はクラシックなのですから。

とはいえ四角四面のつまらない踊りでないことは万人の認めるところです。
柔らかなアームス、吸い付くようなポワントワークとスムーズネスの極致ともいうべきウットリさせる魅力があります。

彼女の踊りにおいて正確無比なのが長所なのをわかった上で…

書で言えばトメやハネの部分でもうちょっとだけアピール出来れば、と考えることがあります。
ご本人が望むかどうかは別として、ユフィちゃんにはそれが可能だと思うのです。
行間を読ませるためには行がしっかりしているのが前提ですから。
ああ、どうにもこうにも抽象的で歯がゆいですなw






さてここからは F 嫁にバトンタッチ です。
いつもはほとんど F にお任せですが、今回は自らも書きたいと積極的です。







RICOH GR





女の子って 何でできてるの?
女の子って 何でできてるの?
砂糖とスパイス
それと 素敵な何か
そういうものでできてるよ


舞台の動くアリスを見た瞬間にマザーグースの詩が思い浮かびました。
賢くて、曲がったことが嫌い。でも、まだまだ幼くて、思うとおりには事が運ばない。

ジャックとの仲を引き裂こうと無実の罪をジャックに着せて家から追い出してしまう母。
その母親にプンと膨れるアリス。

突然始まった 「 不思議の国 」 での冒険でのハプニングの連続。
うろたえて泣きだしてしまうアリス。

芋虫にもらったマッシュルームを食べて、急に壁と扉が消えさって 「 憧れの庭園 」 が現れると…
どのキャストよりもマジなジャンピングで飛び跳ねて喜ぶアリス。

ハートの騎士になっているジャックに再会して、ちょっぴり誘惑の眼差しでホッペにキスをしてもらうアリス。
( なぜか見ていてドキドキしてしまった )

子供のような、大人のような、ちょっと危ういアリス。

原作は 7 歳の少女の設定ですが、ロイヤルバレエのアリスはもうちょっと上に設定してあるのでしょうか。
( ジャックとの恋も描いていますし… )




ユフィさんのアリスはちょっぴりやんちゃで真っ直ぐで、でも賢くて品が良くて…
素敵なアリスでした。
ジャックにキスをしてもらう時などはコケティッシュ。
でも無邪気で子猫みたい。
私がジャックでもキスしたくなってしまうわ (笑




私も子供の頃に 「 不思議の国のアリス 」 を児童書で読み、学生時代に 「 不思議の国のアリス 」 「 鏡の国のアリス 」 を読みました。
なので今回のロイヤルバレエの舞台鑑賞は、F よりも少し思い入れが強かったかもしれません。

じつは最初 DVD で見た時は ( バレエ演目としてはどうなのかしら? ) とハテナマークでいっぱいでした。
主人公のアリスが最初から最後まで舞台に居続ける ( 踊り続ける ) 割に見せ場が少なく…
赤の女王の眠りのパロディーやマッドハッターのタップも素晴らしいのですが 「 バレエを見た 」 充実感があまりなくて。


今回のロイヤルバレエの公演もユフィさんが踊られるのでなければ、観に行かなかったかもしれません。


でも幕が開いて舞台が始まった時…
「 私自身がアリスの住んでいる世界に迷い込んでしまった 」 気分になったのです。

セットや美しいダンサー達。
観客席に落ちる紙吹雪、通路を歩いて踊る 「 花 」 のバレリーナ。

私もアリスと一緒に冒険に出たような気持ちになっていました。

そしてイギリスらしいユーモアとペーソスが練りこまれた舞台。

もう一度、二度 … 生の舞台をじっくり見たいです。
英国ロイヤルバレエの凄さを感じました。




さてさてユフィさんのアリスに戻りますが…

冒険に入ってからのアリスは、やんちゃだったり、めそめそしたり、コケティッシュだったり…
可愛い♪
もうもう可愛い♪
危なげなところも可愛い♪

最後は夢オチで、アリスはしっとりとした大人になっています。
しっかり成長しています。

ダンサー側から言えば、アリスは 「 マラソンランナー 」 のような役なのではないかな…と思います。
おもちゃ箱に放り込まれて、次から次にいろんな事が現れてそこを駆け抜けていく。
どちらかというと受け身の連続ですからたいへん。
で、なんだか難しそうな振付 ( リフトされた後に脚を開脚したままで頭から前転するように降りるのを三回続ける…とか ) の連続で。
その割にうっとり場面がない。
( 私はうっとりアダージョが好きなのに…と F に言ったら苦笑されました )

でもそんな中でもユフィさんの優美なポワントワークは光っていて、それがアリスの優しさや品の良さを現すようでとても満足できたのでした。







RICOH GR




ここから再び F がお送りします。
言いたいことはほとんど F 嫁が書いてくれたので概念的な戯言を少々。


ロイヤルバレエにおいて、我々が愛するユフィちゃんは誠実に与えられた役に取り組んできました。
ファーストソリストに昇進してからは純粋なコール・ドは踊らなくなったものの、数々のアンダースタディに入り、
主役を盛り立てる重要な脇役もたくさん踊らせてもらっています。
そしていざプリンシパルにアクシデントの際には代役として主役を務めたことも多くあります。

これほど技術がしっかりしていて安定して舞台をまとめられるダンサーには、相応の道があって然るべきとずっと思ってきました。

何が阻んでいるのでしょう?



それから大切なのはユフィちゃん本人の気持ちです。
何度かお会いした際も常に折り目正しく素晴らしいお嬢さんでしたが、もちろん本音で話を聞けたわけではありません。
頂点にたどり着いたからこそ踊れる役があります。
逆にその一歩手前でなければ踊れない役もたくさんあります。
我々はそう信じていますが、ユフィちゃんが石にかじりついてでも上を目指すならとことん応援したいと思います。

“上”というのには様々な考え方があると思います。
F & F 嫁はユフィちゃんのサポーターであります。
であるならばそれは倫敦に限ったことではない、と言ったら半ば脅迫と取られるでしょうかw




すっかりブログを書くのに時間がかかってしまいました。
10 日の水曜日はロイヤル・ガラの日です。
ユフィちゃんは先日放送されたアシュトン・セレブレイションで魅せた 「 春の声 」 ( 下の写真 ) を踊りました。
我々は残念ながら行けませんでしたが、映像でも組んだアレクサンダー・キャンベル君と息のあったリフトを披露し、
幸せの紙吹雪を撒いたことでしょう。

再度言います。
ユフィちゃんが踊りへの情熱を持ち続ける限り、いつまでもどこででも応援しています。
8 月のローザンヌ・ガラで再び暑い日本に戻ってくるユフィちゃんを待っています。









Q What was the most difficult point of your career? How did you deal with it?

A Yuhui : There are always ups and downs. Whenever I feel down I think back and remember why I dance…
  Yuhui : …I always remember that I dance because I love it.


















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