F log
ふたりとも休みだった木曜日。
F 嫁と都内までドライブしました。
目的地は世田谷区世田谷。
あまり縁のない土地ですが、ここには都内に 2 箇所確認されてるサソリの巣が存在するのです。
アバルト世田谷
夏休みもカウントダウンとなり湾岸線は大渋滞。
京葉道路から都心のど真ん中を突っ切って世田谷区に向かいましたが、こちらも負けず劣らずの渋滞でした。
1 時間強のドライブで世田谷に到着しました。
アバルトの販売店はこの世田谷と、南千束の アバルト東京 という 2 箇所のみです。
展示車、試乗車の関係でフィアット/アルファロメオ併売の世田谷になりましたが、本来はアバルト専売の南千束に行きたかったです。
RICOH GR
案内されてショールームの2階に昇ると、エッセエッセ の木箱と“Record Monza”と呼ばれるデュアルモードエキゾーストシステムがお出迎えです。
長年憧れたエッセエッセの木箱との対面に感激です。
レコードモンツァはご覧のとおり左右 4 本出しのマフラーです。
その特徴は内側の 2 本は通常通り消音器を経由しますが、3,000回転オーバーで目を覚ます外側の 2 本はなんと直管です。
これが官能的なサウンドを奏でる楽器なんです。
RICOH GR
今回体験させていただくのは、ABARTH 595 COMPETIZIONE (アバルト595コンペティツォーネ) です。
往年のアバルトの名車 595 からつけられた名前です。
コンペティツォーネというのはその中でも最もスポーティーなグレードになります。
テストドライブ用のこのクルマは、グリジオ・レコードというダークグレイのメタリックです。
日陰ではもっと色が濃く見え、光線によって色味がかなり変わります。
グレイのボディにキャリパーとホイールセンターの赤が良い差し色になっています。
前ベンチレーテッド、後ソリッドのブレーキディスクは両方共ドリルドディスクになっいて見るとテンション上がりますw
RICOH GR
ラジエーターの前にインタークーラーが装着されている関係で、全長はウチのチンクより前後 5 cmづつ長いです。
ターボチャージャーは IHI 製です。
少し長いノーズ以外、この角度ではエンブレムの他は目立った違いはありません。
( 写真は欧州仕様 )
ところが後ろに回ると一転、派手なデュフューザーと前述のレコードモンツァ 4 本出しで印象は一変します。
あいかわらずおにぎり型の可愛いヒップですが、さすがに下半身はアグレッシブです。
アグレッシブといえばこのシートもそのものですね。
イタリアのシート/シートベルトのメーカーである サベルト製 のヘッドレスト一体型スポーツシートが 2 脚装備されてます。
見ての通りサイドサポートはガッチリ、クッションはミニマムですが、イタリアらしい鮮やかな色使いと言えるでしょう。
リクライニングダイアルのサソリ、595 の真っ赤な刺繍 も誇らしげです。
RICOH GR
コクピットは基本ノーマルの 500 と同様です。
ダッシュからターボのブースト計がニョキッと生えているのと、最も違うのはシフトレバーが無いことでしょう。
4 つのボタンはそれぞれ、AT/MT切り替え、1(ドライブ)、R(バック)、N(ニュートラル)です。
この 595 コンペティツォーネは、シングルクラッチで AT/MT 切り替えのシーケンシャルミッションが搭載されてます。
AT の場合はクルマ任せ、MT はステアリング左右にある±のパドルシフトで操作します。
RICOH GR
エンジンフードを開けるとここでもサソリとご対面です。
狭いエンジンルーム内にみっちりと詰まっています。
ノーマルのアバルト(135ps)にエッセエッセ相当のチューンを施した結果、160ps/5,500rpm というハイパワーになっています。
最大トルクは 21.0kgm/2,000rpm です。
RICOH GR
さぁ能書きはこれくらいにしてテストドライブに出発しましょう。
出張してきたアバルト東京の営業さんが後席に、F 嫁が助手席に乗って世田谷の道路に乗り出しました。
数十分後…
楽しい、ただその一言です。
イグニッションを回すとグォン!!とエンジンが目覚め、その後ドロドロドロドロという独特のアイドリングサウンドになります。
世田谷の狭い住宅地ということもあり主に AT でおとなしく乗ったのですが、そのヤンチャさは隠しきれません。
SPORT モードにおけるアクセルレスポンスは俊敏でラグもほとんど気になりません。
いざ 3,000 回転を超えるとあの固いサベルトシートのどこにその余白があったのかと思われるほど身体がシートにめり込みます。
いや〜じつに楽しい。
レコードモンツァのサウンドは惚れ惚れするような乾いた良い音で、アクセルオフ時に「パンッ!!」と吹き返し音が鳴るんです。
そしてシフトダウンの際にはクゥオン!!と煽ってからギアが落ちます。
運転していて自然と顔がニヤけてくるのを自覚しました。
思わず笑っちゃうんですよ、楽しくて。
先行車や対向車はさぞ気持ち悪かったでしょうねぇw
500 を運転し慣れていますが、KONI 社製 FSD ショックアブソーバー による路面状況の把握や踏ん張りはまったくの別物と言えます。
クルマ自体がガッシリと揺るぎない感じがします。
かといって重厚なわけではなく、ステアリングに反応してスッと向きを変えるノーズは軽快そのものです。
三人乗車でエアコンも全開ですが、まったくパワーに不足はありません。
というか怖くてハーフスロットル以上踏めませんね。
まぁこのクルマをフルで走らせるにはサーキットに行かなくてはならないでしょう。
RICOH GR
初めて体験したサソリの猛毒は強烈そのものでした。
さしもの蛇もこの毒には敵いませんね。
帰り道で再び渋滞にハマりながら、サソリの生息地が遥か東京の西側でよかったとつくづく思いました。
もし居住地へと生息域が広がってきたなら毒に対する免疫が崩壊しているいま、犠牲を払ってでも抗う術は無いでしょう。
おまけ‥
FIAT 500 Abarth